「…ッん…。」
「…あとちょっと…。」
「………っう…。」
菊はアーサーに抱かれ手を必死に伸ばしている。
「…あっ…。」
「取れた?!」
「…押し込んでしまいました…。」
残念そうに菊はうつむく。
二人は高い棚の上にあった箱をとろうとがんばっていた。
「というか、何であんなところに置いたんだ?」
「何故でしょう…。分かりませんね。」
「何が入っているの?」
「それを確かめるためにもう一度案を考えましょう。」
「…俺が椅子とか台に乗って菊を俺があげるとか。」
「やってみましょうか。」
台のようなものを引っ張ってきて菊はアーサーの力を借りて棚に上がった。
「取れました…。あの…降りられません…。」
アーサーが手を伸ばすが菊は怖いと言う。
「とりあえず、その箱を下ろせ。」
箱を受け取りアーサーは横にどかす。
「ちゃんと受け止めるから飛び降りろ。」
「…。」
菊は一回深呼吸をして飛んだ。
アーサーの腕の中で菊は涙眼になっていた。
よしよしと菊の頭を撫でる。
「で…箱に何が入っていたんだ?」
「あけましょうか。」
そっと空いた箱の中には折り紙が入っていた。
「それなんだ?」
「折り紙ですよ。」
翠の折り紙を渡して言う。
「ここは…」
一緒に折鶴をおってお互い交換した。