二度目の夏

どうしましょうアーサーさんと喧嘩してしまいました

ホント些細な口喧嘩だったのですが

そのまま出てきてしまいました

 

祭りに二人で行く予定だったが、喧嘩をして勢いで二人とも祭りに向かった。

ばらばらで

 

「あ」

菊は金魚が多く浮いたプールの前で止まった。

「やっていくかい?」

「いえ

菊の目に付いた二匹の金魚は近づいた後、お互いそっぽを向くように泳いでいた。

 

アーサーのいない祭り

去年はとても楽しかったな。

目の前にある鮮やかな祭りは、とても遠くに見えた。

 

菊は線香花火を買った。

去年の夏、一緒に花火を見たところにもって行った。

 

花火に火をつけるとチリチリと燃え出した。

菊の中に流れたものは去年の夏。

金魚、綿菓子、花火

涙が溢れた。

菊の涙が地面に落ちる前に線香花火の赤い涙が落ちた。

 

「いたいた。」

菊が振り向くと後ろにはアーサーがいた。

手にしていた線香花火の紙切れを置き、アーサーに抱きついた。

「悪かった。」

アーサーが謝り、菊の涙をぬぐった。

今度は夜空の花が二人を呼んだ。

「綺麗ですね。」

「さて、この花火が終わったら、まわる?」

「はい。」